小額個人再生の手続き

 小額個人再生には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があります。ここではその違いは詳しく説明しませんが、一般的に小規模個人再生の方が有利なので、こちらをメインに解説して行きます。

(1)小規模個人再生が利用できる条件

(ア)住宅ローンを除く債務の額が5000万円以下であること。その債務が発生するに至った理由は問いません。ギャンブルでも風俗でもいいのですが、一度債務整理をすると決めたら、これらの道楽は控えるようにしたほうがよいでしょう。
(イ)継続的な収入の見込みがあること。普通に働いていればOKです。

(2)まずは弁護士介入通知の措置をとってもらうこと

法律事務所に相談に行く前に、全債務の内訳証明をとっておきます。カードローンであればディスペンサのレシート残高表示で、他のローンの場合には残高証明を取ってきます。個人再生は全債務に及ぶものですから、クレジットで買った6500円の洋服に至るまですべて対象となります。包み隠さず全部洗い出しましょう。

全債務を洗い出したら、次に源泉徴収票など所得を証明できる書類を用意します。あとは弁護士相談費用(8000円くらい)を用意して、法律事務所に向かいましょう。あらかじめネットで個人再生のことを解説しているような事務所を選ぶと良いでしょう。

弁護士の同意がとれたら、まずは着手金(5万円〜10万円)を払って、各債権者に「弁護士介入通知」を出してもらいます。これでサラ金の取り立ては止まりますし、月々の返済も留保されます。

ここで注意点。銀行系ローン債務があって、その銀行に口座を開いている場合、弁護士介入通知と同時に口座が差し押さえられます。給与振込口座に指定している場合は、給料まるごととられてしまいますので、現金や定期預金は全て引き出しまたは解約手続きをとっておきましょう。

弁護士介入通知と同時に毎月の支払いも留保されますが、安心してはいけません。弁護士費用に充当したり、後で述べる積立金費用のために貯蓄しておくべきです。

(3)個人再生手続きに必要な書類

法律事務所指導のもとで、次の書類を用意します。

(ア)過去3ケ月分の家計簿と給与明細

毎月の給与をどのように使っていたかを明らかにするものです。家計簿をつけている人は少ないと思いますので、記載する金額は概算でかまいませんが、給与明細と金額が一致するようにしなければなりません。

また、次のような家計簿は再生計画案認可に当たって不利に働きますので、調整した方が良いでしょう

・実は毎月5万円貯蓄していた
・給与の半分以上が洋服代とエステ代になっていた
・給与の半分以上が遊興費になっている
など

家計簿は、必要最小限の生活をしながら、借金を返済してギリギリの生活であることをアピールするようにしましょう。

夫婦共稼ぎの場合、配偶者の収入は入れる必要はありません。あくまで「個人再生」なのですから、自分の給与の使い道だけわかればいいのです。

(イ)戸籍謄本

(ウ)銀行通帳の写し
おおむね過去3年分くらいの取引明細を全てコピーします。ローンに関係ない銀行の口座も含めて全ての銀行口座が対象です。たいていの人はコピーするだけで膨大な手間と時間がかかりますので、銀行窓口で「取引明細出力依頼」をしたほうが簡単です。わずかの手数料で取引明細をプリントしてくれます。

(エ)生命保険解約返戻金証明
実際に解約する必要はないのですが、再生計画案における金額算定に使われます。

(オ)自動車査定額証明書
実際に車を売る必要はないのですが、これも再生計画案における金額算定に使われます。査定は全国主要都市に自動車査定協会という団体がありますので、ここに査定を依頼します。ちょっと古い車なら車検証のコピーを提出するだけで査定が済む場合があります。

(カ)退職金証明書
実際に退職する必要はないのですが、現時点で退職した場合にもらえる予定金額の1/8が資産として再生計画の金額算定に使われます。唯一嫌なことは会社に再生手続をしていることがバレてしまうことですが、仕方が無いと割り切りましょう。

(キ)土地建物評価額調書
実際に家や土地を売る必要は無いのですが、資産として再生計画の金額算定に使われます。オーバーローンの場合は0円になります。

以上を揃えれば、あとは弁護士と裁判所とのネゴシエーションの末、再生計画の認可手続きに入ります。

再生手続認可までには、最短でも4〜6ケ月かかりますが、その間、再生計画案に基づいた毎月弁済予定額を、弁護士事務所の口座に振り込みます。これは返済計画が滞り無く行われることを証明するためです。積み立てたお金は再生手続認可と同時に戻ってきますので、絶対に滞りなく収めてください。

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